由美と美弥子 3045

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    「とりあえず、こんなところでいいかしら。 足りなくなったら、また買いに来ればいいし」 お酒が入った状態で、またお酒を買いに出るのか。 出来れば遠慮したかった。「これも」 美弥子は、紙パックの焼酎を手に取った。 1800mlのパックだった。「まぁ、すごい」 いくらなんでも、これだけあれば足りるだろう。 紙パックなら普通ゴミに出せるから、体裁も悪くない。 万里亜の選んだ日本酒は壜だが……。 洒落た造りなので、インテリアとして飾っておいてもいい。 酒瓶を資源回収に出しに行くのは、出来れば避けたかった。 管理人さんには、入居時に、父と一緒に挨拶をしていた。 今春、大学に入学したということは、そのとき父が告げていた。 管理人さんは、朝方、管理人室の小窓の前に座っている。 前を通る居住者には、愛想良く挨拶をしているが……。 実際には、居住者のゴミの出し方にも目を光らせてるのではないか。 酒瓶を出しに行くのを見られたくはない。 ま、紙袋にでも入れていけば大丈夫だろうが。 今の時間はもう、管理人室の小窓にはカーテンが下りているので……。 お酒を買いこんで来たことを見咎められる心配はない。■「遅かったねー。 どこまで行ってたの?」「コンビニよ。 S店の方」「近くに、もうひとつあるじゃない」「向こうの方が、品揃えがいいから」「帰ってこないかと思った」「そんなわけないでしょ」「準備、オッケーよ。 3回も並び替えちゃった」「まー、綺麗に並べたわね」 4人掛けのダイニングテーブルには、すでに料理が並んでいた。 中央に、万里亜が持ってきた重箱。 中身は、洋風お節のようだった。 三段重が外され、並べられていた。 しかも、一直線ではなく、組子のような形にずらしてある。 カッティングボードに移されたピザは、すでに切り分けられていた。由美と美弥子 3044 <目次> エロ本を拾った話
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