由美と美弥子 3144

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Mikiko’s Room
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2020-10-07 06:04:40
式こそ挙げませんでしたが……。 事務員の志津子と結婚したことは、会社には報告してあります。 曲がりなりにも新婚です。 さほど遠方でないとは云え、通勤できる距離ではありません。 新婚早々、単身赴任になってしまいます。 そのあたりのことは、社長もわかっていたようで……。 志津子も一緒に、工場の事務職として転勤してもらいたいとのことでした。 新しい土地に趣くことには、まったく抵抗がありませんでした。 もともと、一箇所に定着して生きていくタイプじゃないんでしょうね。 あとは、志津子の意思次第です。 その夜、転勤の話を志津子にしました。 応答は、意外なものでした。 わたしの転勤には、まったく反対しませんでした。 自分も一緒に行くことも、応諾しました。 意外だったのは、会社を辞めたいと言ったことでした。 仕事がイヤになったわけではないそうです。 一度、専業主婦をしてみたかったとのことでした。 翌日、志津子の意向を社長に告げると、とても残念がられました。 志津子はあれで、事務員としては優秀でしたから。 でも、息子可愛さには勝てなかったのでしょう。 結局、わたしだけが転勤し、志津子は退職することになりました。 社宅のある土地ではなかったので……。 住居は、会社が紹介してくれたマンションになりました。 帰ってからも会社の人間と顔を付き合わすより、その方が気楽です。 埼玉県と云っても、新幹線の通る幹線沿いからは外れています。 中心地を抜けると、田んぼや畑が広がる地域です。 そういうところだから、工場が建てられるのでしょうが。 紹介されたマンションも、外観は団地みたいでした。 実は、そこの隣の部屋に住む婦人と、妙な関わりを持つようになったのです。 ここまでの前振りを書いているうち……。 ふと、その経緯を小説風に仕立ててみたらどうかと思いつきました。 その方が、会話も入れられて、読みやすくなるのではないかと愚考しました。 小説を書いたことなどないのに、無謀な試みとは思います。 どうかご寛恕いただき、お読み捨ていただければ幸いです。敬具 由美と美弥子 3143 <目次> エロ本を拾った話