人間の業 ― 綺麗事の裏側 第110話:【連載】知っておきたい認知症のコト 第10回
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2026-10-18 20:00:00
人間の業 ― 綺麗事の裏側 第110話副題:「いつもと違う」を見逃さない — 記憶の陰に隠れる心と身体のSOSこれまで本連載では、認知症の主なタイプや物忘れの特徴、生活上の工夫についてお伝えしてきました。第10回となる今回は、「物忘れ」以外の部分に現れる初期サインと、それに伴う心身の変化への向き合い方について解説します。1. 記憶力よりも先に現れる「行動・感情の変化」認知症というと「ものの名前が出てこない」「約束を忘れる」といった記憶の障害が注目されがちですが、実はその前段階や初期症状として、感情の波や意欲の低下、生活習慣の変化が表れることが少なくありません。急な意欲低下・億劫がりこれまで楽しみにしてきた趣味や地域活動、日課の掃除やゴミ出しなどに対して、急に「めんどくさい」「行きたくない」と強い拒否感を示すようになります。感情のコントロールが難しくなる以前より怒りっぽくなったり、逆に急に落ち込んで深く塞ぎ込んだりするなど、感情の起伏が激しくなるケースがあります。処理能力のオーバーワークによるストレス周囲の状況を把握したり、複数のことを同時に進める脳の働き(実行機能)が低下するため、日常のちょっとしたトラブルや手順の変更に対して強い混乱や不安を感じやすくなります。2. 周囲の行事や環境変化が引き金になることも自治体の地域一斉清掃や家庭内の行事、引っ越しなど、「普段と違う段取りや協調性が求められる場」に参加した際、うまく対応できなかった体験が大きなストレス(トラウマ)となることがあります。失敗体験による自信の喪失「周りについていけなかった」「指示の意味が分からなかった」という体験がトリガーとなり、一時的に記憶力や集中力がぐっと落ち込んだり、自信を失って家に閉じこもりがちになったりします。見逃されやすい理由こうした変化は「年をとったから」「最近ちょっと疲れ気味なだけ」「世の中の事件事故に比べたら小さなこと」と捉えられ、見過ごされてしまいがちです。しかし、本人にとっては非常に大きなプレッシャーと困惑の中にいます。3. 周囲・ご家族が心がけたいステップもし身近な方やご家族にこのような変化が見られた場合、焦らず段階を追ってサポートすることが大切です。 ステップ関わり方のポイント ① 話を聴く(受容) 何に傷つき、何に不安を感じているのか、否定せずにじっくり耳を傾けます。「うまくいかなかった」という感情そのものを包み込むことが最優先です。 ② 負担を減らす(調整) 大人数での作業や複雑な手順を伴う行事からは一度距離を置き、1対1で安心して過ごせる環境や、簡単な役割づくりを意識します。 ③ 専門家に相談(受診) 一時的な落ち込み(うつ状態)なのか、認知機能の低下によるものなのかを自己判断せず、かかりつけ医や地域包括支援センターへ相談しましょう。 身近な人の変化に気づいたときは、「気のせい」にせず、まずはその不安や落ち込みにそっと寄り添うことから始めてみてください。>この話が気に入ったら、ランキングバナーをポチッと押していただけると励みになります。



