モテないから、１対１で濃密な関係を築きうるネットでの出会いに走るのだ。そこで生まれる疑問は、出会い系宇宙に星の数ほどいるブスについてである。あの子たちはサイトのおかげでいい思いができてるんだろうか。救われてるのだろうか。普段はデートになどとても誘われない女が、男と２人きりで食事し、あわよくばセックスできるのだとすれば、それはまさに出会い系の功績である。しかし現実には、ブスが理想的な出会いをかなえているとは考えにくい。ブ男にしか相手にされなかったり、いつもヤリ捨てられたり、あるいは会った瞬間逃げられたりと、彼女らなりに苦悩しているはずだ。出会い系ならブスでもモテるなんて嘘だろう？わからぬことは当人たちに聞くべしと、編集部及びライター関係者周辺で、出会い系をしている、あるいはしたことのあるブス女性をピックアップし、体験談を語ってもらうことにした。インタビューのテーマは「あなたの出会い系体験」。あまりに失礼かと「ブスならではの」という前提条件は隠し通した。某地方都市在住のアケミさんは、実家住まい。小さな工務店で事務職として働いている。某ライターの知人が彼女を出会い系でつかまえて『フェラ友（しゃぶらせるだけの関係）』にしており、その彼に「包み隠さず話してこい」と命じられて今回のインタビューと相成った。どんな性格かはこの一事でわかるだろう。彼氏はいたことがない。恋愛に憧れた中学時代のあだなはお岩（岩のようにゴッゴッした顔のため）・いわゆるイジメられっ子のため、彼氏どころか女友達すらできなかった。男と初めて接したのは高校を出てすぐ出会い系にすがってからだ。「最初の人とは写メ交換とかしてなくて、実際に会ったら汚い感じで、車の中もゴミだらけだったんだけど、駐車場でエッチしました。全然よくなかった」不潔男からすれば、『処女』という点にしか価値のなかったことは明らかで、彼女が家に戻ってからメールをしても返事は一向に戻ってこなかったそうだ。「会うまではメールしてたのに」さてここからが本領発揮である。あくまで最初は、男というものを知っておきたかっただけだったのが、処女を喪失して彼女は欲をかく。彼氏がほしくなったのだ。出会い系には、よっぽどのブスでもセックスしてしまう男がおり、それを彼女は愛情と勘違いしてヤラれまくった。言うまでもなく、ほぼ全員が１回こっきりである。彼氏などできっこない。やがて歳を重ねるにつれ体はぶくぶくと太り、ついにセックスしてくれる男もいなくなった。彼女の場合、駅前のロータリーで待ち合わせ、相手の車に乗ってどこかへ遊びに行くのが常だった。ところが。「何度かあったのは、私がロータリーに立ってると相手の車が近くまで来て、助手席の窓がスーツと開いて、顔を確認してすぐまたスーツと閉まって走り去っていくパターンですね」絵を想像すると笑える。１回だけならまだしも、何度もそんなことをされるなんて。お次は、彼氏探しのために出会い系を使い続ける学生さんである。ただしモテはしない。先のアケミさん同様、ノリコさんも処女を捧げたのは出会い系の相手だった。一応詳しく聞いてみれば、出会った初日に「付き合おう」という流れになってまずヤラれ、その後もときどき呼び出されてはヤラれ、およそひと月後に、〈別れよう〉とメールが来てそれっきりだそうだ。やっぱり。こういう過去を恋愛として記憶できるのは不思議なものだ。まだ若いせいか、彼女はセックスそのものはそんなにしたくはないらしい。出会い系はあくまで彼氏探しの手段。だから遊びと割り切ることができない。「やっぱりエッチは彼氏じゃないとできないですね」とは言うが、過去の話によれば、彼氏か彼氏じゃないかの違いは、セックスする前に口約束があったかどうかだけのようだ。初体験から何も変わっちゃいない。つい先日もこんな出来事があった。「漫画喫茶に行って、口でしてくれって言われたから付き合ってくれる？って聞いたら『いいよ』って。『じゃあ指輪買って』ってお願いしたら『今度ね』っこんな約束を信じて漫画喫茶で１時間以上もフェラチオを続けたという。案の定、別れ際に「今度いつ会える？」と聞いたら「こっちから連絡するよ」でジ・エンド。「人間としても彼氏としても最低ですね」まさか、その人も彼氏ってことになってるのでしょうか？