由美と美弥子 3082

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Mikiko’s Room
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2020-07-12 06:25:27
30を過ぎて未婚。 いや、未婚どころではない。 童貞だ。 もう、取り返しのつかない人生。 それならこのまま、自分のためだけに生きてもいいではないか。 これから結婚し、子供が出来たりしたら……。 いったいどれほどの自由な時間が奪われてしまうだろう。 考えるだけでイヤになった。 やはり、ひとりがいい。 そう。 だって、こんな楽しいことまで見つけてしまったのだから。 しかし、このままベランダで覗きを続けるのは……。 あまりにも危険だと気づいた。 こちらから見えると云うことは……。 もし、向こうでも望遠鏡を持っている家庭があれば、こちらが見えることになる。 天体観測なら、鏡筒が上を向いている。 しかし覗きでは水平で、レンズが正面に見えるだろう。 通報されかねない。 しかも、それを覗いているところを見られたりしたら致命的だ。 覗き男はホームセンターから、大型のカラー段ボールを買って来た。 色は、レンズ周りと同じ黒だ。 鏡筒を水平にした望遠鏡なら、十分収まる。 もちろん、レンズの位置には丸い穴を空けた。 対面のマンションからは、ベランダの物置か何かにしか見えないだろう。 もうひとつ、思い切って望遠鏡を買い換えた。 ケーブルで屋内の映像機器に接続できるタイプだ。 映像機器に、望遠鏡の画像を映せる。 鏡筒の角度も、ケーブルを介してリモコン操作できた。 これで、ベランダでの姿を見咎められることもない。 よく見える部屋は、いくつかあった。 そのときの角度は記憶させることができ、簡単に呼び出すことが可能だった。 だが……。 残念ながら、期待していたシーンには巡り会えなかった。 もちろん期待していたのは……。 女性の裸。 オナニーシーン。 あるいはずばり、性交シーン。 しかし考えてみれば……。 カーテンを開けた窓際で、そんなことをする者は、まずいないはずだ。 マンションは明らかに、子育て世代の家族が住むタイプだった。 ベランダには、子供の洗濯物をよく見かけた。 そういう家庭で、夫婦がリビングの窓際で性交することなど、まずあり得ないだろう。 とはわかっているが、他人の生活を覗き見する面白さに惹かれ……。 仕事が終わった後は、ビール片手にモニターの前に座るのが日課になっていた。由美と美弥子 3081 <目次> エロ本を拾った話