由美と美弥子 3080

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     覗き男は会社を辞め、フリーランスのwebデザイナーになった。 退職を申し出たとき、会社には引き留められた。 その会社の仕事を、フリーランスとなってからも続けるという話し合いがつき、ようやく円満退社が叶った。 最初は、元の会社に勤めているのと変わらないような生活だった。 その会社に出勤して仕事をしていたからだ。 しかし次第に、ほかからの仕事も増えて……。 自宅マンションで作業が出来るようになっていった。 この街での通勤は楽だったが、それでも、まったく家を出なくて済むというのは大きい。 通勤時間は人生の浪費だったと、つくずく実感した。 そうした日々を送るうち、ようやく自分の居場所を見つけられた気がした。 こんな人生も悪くないと思った。 30を過ぎて家族もいないが、もう結婚する気はなくなっていた。 自分は、人と一緒に住むことには向いていない。 それだけは、はっきりとわかった。 ひとりの気ままな暮らしを手放したくはなかった。 唯一、残念なのは、一度も女性と付き合ったことがないことだ。 童貞だった。 それ以前に、キスの経験さえない。 手を握ったこともない。 もちろん、性的に不能なわけではない。 それどころか、オナニーは毎日のように行っていた。 フリーランスになってからは……。 仕事の合間の息抜きにもなっていた。 机から離れ、ベッドに身体を投げ出すと……。 手が自然に下半身に伸びていた。 想像する相手は決まっていた。 もちろん、小学校の天体観測会で一緒だった少女だ。 転校して行ってしまった少女。 今では、あれが初恋だったとはっきりと自覚できる。 初恋どころか、唯一の恋だろう。 真剣に望遠鏡を覗く横顔。 こめかみのほつれ毛が、夜の風に揺れていた。 覗き男はその傍らに立ち、陰茎を扱くのだ。「出る!」 真っ白い精液の球が、花火のように打ちあがり……。 少女の頬で破裂する。 何度も。 何度も。由美と美弥子 3079 <目次> エロ本を拾った話
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