パンパンパンパン。　腰が香織の尻を打ち、乾いた音を撒き散らす。　この音では、個室の外に漏れてしまうだろう。　人が来ないことを祈るしかない。　パンパンパンパン。　腰の動きと連動して、絵里子の乳房が跳ねあがり……。　戻っては腹を叩く。　パンパンパンパン。　パンパンパンパン。　肉音の二重奏だ。「はががががが」　香織の頭が踊り出す。　これでどうだ。　パンパンパンパンパンパンパンパンパン。　パンパンパンパンパンパンパンパンパン。「ががっ」　給水管に縋っていた香織の腕が、だらんとぶら下がった。　上体を給水管に預け、頭を垂れていた。　挿出は続けられなくなった。　絵里子の腰に、ずっしりと重みがかかったからだ。　すなわち、香織の脚から力が失せたのだ。　香織の下半身は、差しこまれた陰茎に支えられていた。　動きが止まった途端、汗が噴き出す。　香織の細い胴を両手で挟み、押しあげながら陰茎を抜き取る。　途端に香織の尻が落ちる。　そのまま便器の突端に、反対向きに座った。　美咲と向き合うかたちで、抱き合っていた。　香織の肩口から、美咲の顔が覗いている。　これもまた面白い構図だ。　便器に向かい合って座る、二人の女。　なにより、香織のブサ顔が見えてないのがいい。　よし、記念撮影だ。　絵里子は、フックの割烹着ワンピースから、スマホを取り出した。　目に入る汗を拭いながら、シャッターを切る。　いい画《え》が撮れた。　お出かけは素晴らしい。　唯一の欠点は、自分もイッてしまえないことだが……。　それを補ってもあまりある、シチュエーション創作の楽しさがあった。　自分は、プロデューサーの資質があるのではないか？　絵里子は、ひとりほくそ笑んだ。