由美と美弥子 3384

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 中山夫妻は、わたしの親より10歳くらい上の世代だろう。 うちが引っ越してきたときには、母がいろいろと教えてもらっていたようだ。 子供は、女の子が2人いた。 わたしもよく遊んでもらったものだ。 でも、どちらももう結婚して、マンションを出ている。 中山さんのご主人はまだ定年前で、会社勤めをしている。 奥さんは、ずっと専業主婦だったはずだ。 でも、今日の中山さんは、買い物に出る服装ではなかった。 芥子色より遙かに明るい、真っ黄色に近いスカートスーツだ。 勤めを始めたのだとしても、とても通勤に使う服装には思えない。 そもそも、夕方近い時間だ。 まさか、夜の勤めだろうか。 中山さんは、わたしの顔を見ると、なぜかどぎまぎしていた。「美咲ちゃん、今、お帰り? ちょっとこれから、サークルの女子会なの。 主人、今日は出張で帰らないし……。 わたしも少し遅くなるかも。 そちら、お友達?」「同じクラスの市川さんです」「そう。 同級生。 大人びてるわね。 それじゃ、急ぐから。 お願いします」 何をお願いされたのかわからないが、中山さんは、とびきりの笑顔を振りまいて去って行った。 エレベーター前では、こちらを振り返り、手まで振っていた。 彼女の姿がエレベーターに消えると、佐耶がぽつんと呟いた。「不倫ね」「え?」「後ろめたさがありあり。 でも、安心した」「なにが?」「あの人、50過ぎよね」「うちの親より10歳くらい上だから……。 50代半ばだと思う」「枯れないものね。 そんな年齢になっても。 わたしたち、まだ40年もあるわよ。 40年後のわたしたちも、あんなふうに不倫してるのかしら」「さあ」「なんか、想像しちゃった。 あのおばさんが、男の前で黄色いスーツを脱いでるところ。 案外、脱がせてもらってるかも。 相手は絶対、年下よ。 ホテルの部屋で抱き合って、唇を貪りながら、お互いの全身を撫で回す」由美と美弥子 3383 <目次> エロ本を拾った話
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