人間の業 ― 綺麗事の裏側 第113話:【連載】知っておきたい認知症のコト 第13回

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    人間の業 ― 綺麗事の裏側 第113話副題:『まどろみの底で』――現実と幻想のあわいに立つとき歳を重ねるなかで、ふと「ここはどこだろう」「あの人はだれだったか」という小さな揺らぎが訪れることがあります。完全に認知症の診断がつくわけではなく、かといって「単なる物忘れ」で片付けるには少し深い――。いわば正常と認知症の端境期(はざかいき)に身を置く時期は、本人にとっても周囲にとっても、もっとも戸惑いと不安が交錯する時間です。今回は、現実とまどろみの境界線を生きる方の心の内と、寄り添う家族が知っておきたい接し方のヒントについて考えます。1. 「まどろみ」の中にいる本人の感覚端境期にいる方は、四六時中混乱しているわけではありません。クリアな時間と霞(かすみ)がかかった時間の往来朝はしっかり会話ができていたのに、夕方になると急に不安気な表情を浮かべるなど、時間帯や体調によって意識の明瞭さが変化します。自分の異変に対するうっすらとした自覚「何かおかしい」「さっき言われたことが思い出せない」という自覚があるため、プライドや恐怖心から、つじつまを合わせようと繕ったり(取り繕い反応)、黙り込んでしまったりすることがあります。本人は、意識がはっきりしている「現実」と、記憶が曖昧になる「まどろみ」の底を行き来しながら、必死に自分の世界を守ろうとしています。2. 周囲が感じやすい「違和感」のサイン初期や端境期の段階では、日常生活動作(食事・排泄・着替えなど)が問題なくできるため、周囲も「まだ大丈夫」と思いがちです。しかし、以下のような小さなサインが現れ始めます。 観察される変化具体的な様子 時間や季節の感覚の薄れ カレンダーの日付が追えなくなったり、季節に合わない服装を選んだりする この話が気に入ったら、ランキングバナーをポチッと押していただけると励みになります。
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