由美と美弥子 3476

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Mikiko’s Room
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2022-01-23 06:28:39
- Niconico
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ポケットパークの左右と奥は住宅だった。 奥の住宅は、1本向こうの通り側に玄関があるのだろう。 しかし、どの住宅も……。 ポケットパークに面した窓は小さな嵌め殺しで、ブラインドが降りていた。「絵里子さん! どこ?」「そこだよ」 絵里子は、低木の植えこみの向こうを指差した。 奥の住宅との境目に、低木が列植されている。 高さは、人の腰ほどもあるだろうか。 しかし、奥の住宅と接しているわけではない。 フェンスの際には、空隙があった。 美咲を外に連れ出すようになってから……。 絵里子は常に、野外プレイが出来そうな場所を物色する癖がついていた。 しかし、住宅街と商店街で構成された地域に……。 そんな場所は、ほぼあり得なかった。 その中で、一箇所見つけたのがここだった。 まさに、白昼の死角だ。 いったい、何の目的で作られたのかわからない。 バス停があるわけでもない。 防災拠点としては小さすぎる。 空き家が、敷地ごと自治体に寄付でもされたのだろうか。 で、自治体は古家を取り壊し、ポケットパークとして整備した。 そんなところか。「どこですか……」「そこだって。 こっち来て」 絵里子は植えこみの端を回りこみ、フェンス際の空隙に踏みこんだ。 人がひとり、通れるかどうかの隙間だ。 絵里子には、ちょっと難しいかもしれないが。「トイレなんてありません」「ここでしゃがむんだよ。 頭を下げてれば、道路からも見えないから」「そんな……。 無理です」「それなら、これからマンションに帰る? 間に合うかい?」 美咲は、完全に泣きべそをかいた。「もう、ここでするしかないだろ」「……。 じゃ、絵里子さん、そっちに出て下さい」「そんなこと言っていいの? あんた、紙、持ってる?」「あ」由美と美弥子 3475 <目次> エロ本を拾った話