由美と美弥子 3063

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     ディルドゥの入った箱を抱えて戻ると、万里亜と由美はテーブルに座っていた。 万里亜が、カメオを由美に見せていた。「これ、ピルケースになってるのよ」 女神の彫刻が施された蓋を開く。「ほんとだ。 でも、空っぽ。 万里亜さんは健康ってことですね」「そうね。 普段入れてるのは、気付け薬みたいなものかしら。 自分用じゃなくて、具合が悪くなった人とかに飲ませるの」「へー。 優しい。 持ち主の先生も、そうだったんですか? 保健の先生だったんでしょ?」「あの人が入れてたのは鎮痛剤よ。 頭痛持ちだったから。 あと、生理痛の生徒にも飲ませてた。 あ、美弥子さん。 起ってないで座って」「美弥ちゃん、ほんとに大丈夫?」 起ったままだったのは、座ると寝てしまいそうだったからだ。 急激に回ってきた。 しかし、これはほんとうに酔いなのだろうか。 気持ち悪さは感じない。 強い眠気だ。 美弥子の脳裏に、疑念が生じた。 ひょっとして……。 万里亜に一服盛られた? カメオが空なのは……。 中身を使ったからではないか。 おそらくは、睡眠導入剤。 万里亜が持ち歩いているのは、気付け薬などではなく……。 チャンスがあれば、相手を眠らせることができる薬だ。 万里亜が洗面台から持ってきたコップの中に、すでに溶かされていたのだろう。 ピンクのコップは、万里亜が美弥子の前に置いた。 眼前の由美には、反応が出ていない。 明らかに、美弥子のコップにだけ仕こまれたのだ。 しかし……。 なぜ? なぜ、自分にだけ? それはやはり……。 由美をものにするためだろう。 あのディルドゥを使って。由美と美弥子 3062 <目次> エロ本を拾った話
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