由美と美弥子 3056

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    「えー。 わかんない。 なに上戸です?」「暑くなって来たわね」「あ、エアコン、止めます」 さっき、肌寒くなってきたと言った万里亜に応え、暖房を入れたのだった。 室温はもう、25度を大きく超えていそうだった。 美弥子は、よろけないように注意して、起ちあがろうとした。「いいわよ。 ちょうど良いわ。 思い出すじゃない、夏を。 やっぱり、夏はいいわよね。 いつも裸でいられるから」「えー、いつも裸でいるんですか?」「ほほ。 もちろん、外に出るときは着てるわよ。 捕まっちゃうから。 でも、自宅ではほとんど裸ね。 気持ちいいものよ」「へー。 見てみたい」「ほんとに?」「もちろん」「じゃ、お見せしましょう」「え?」 万里亜が椅子から起ちあがった。 やはり、舞台に立っているせいか……。 一瞬にして観客の目を引きつける所作が身についているようだ。 万里亜の両腕が上がる。 肘をパンタグラフのように張りながら、手の平は後頭部に隠れた。 ワンピースの裾が、わずかにあがった。 頸の後ろの生地を引きあげたようだ。 両腕の高さが変わり、ファスナー音が聞こえた。 片手で生地を吊りあげながら、もう一方の手で、ファスナーを引き下げたのだろう。 ファスナーを肩甲骨の下あたりまで下げたであろう手が、一旦、ファスナーを離れた。 手は再び、今度は下から背中に回った。 再度、ファスナーの擦過音が立った。 ファスナーが、終端まで下りたようだ。 万里亜の右手が、左の肩の布地を払った。 左手が、右の肩の布地を払う。 一瞬だった。 イリュージョンを見るように、万里亜を覆っていたワンピースが真下に落ちた。「うそ」 そこに現れたのは……。 一糸纏わぬ、豊かな肉体だった。 そう。 文字どおり、一片の布地も身を覆っていなかった。由美と美弥子 3055 <目次> エロ本を拾った話
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