由美と美弥子 3382

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「思い切りはじけたいね、美咲」「え?」「屋上とかで、こそこそやるんじゃなくてさ。 わたしんち、弟がいるのよ。 まだ小さくてね。 わたしが帰ると、まつわりついてくるの。 だから、そいつが寝るまでオナニーも出来なくて。 美咲、兄弟姉妹は?」「一人っ子」「いいなぁ」「いろいろと良くないよ。 プレッシャーかかるし。 佐耶みたいに勉強できればいいんだけど」「だったら見てあげる。 お勉強。 いろんな意味での。 お母さんは、専業主婦?」「共働き。 マンションのローンがあるから」「じゃ、帰ったら誰もいないの?」「うん。 小学校に入ったころから、『鍵っ子』」「なんか、久しぶりに聞いたね、それ。 でも、理想じゃん。 ね?」 わたしは頷いた。 佐耶のせいよと言いたかった。 ひとりきりのマンションで過ごすひとときが、至福の時間になったのは。「今日、行ってもいい? もちろん、勉強みてあげる。 どのくらい上達してるか。 夜のお勉強」 放課後、学級委員の雑務があるという佐耶を少し待った。 桜の木の下のベンチ。 すぐ目の前に、ソフトテニス部のコートがある。 普段はハーパンで練習してるのに……。 今日は、試合用らしいスコートを穿いていた。 対外試合が近いのかも知れない。 襞々のプリーツスコートはよく捲れ、アンダースコートが盛大に覗いた。 彼女たちも家に帰ったら、オナニーをしているのだろうか。「ごめん、待たせたね」 佐耶が息を切らせていた。 その顔を見あげたら、なんだか胸苦しくなった。 本気で好きになったのかも。「誰か、友達でもいるの?」 佐耶が、コートを振り返った。由美と美弥子 3381 <目次> エロ本を拾った話
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