由美と美弥子 3053

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Mikiko’s Room
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2020-06-01 06:14:31
「いくわよ」 万里亜は、ボトルを両手で宙に捧げた。 片方の手の親指が、コルクを少しずつ押しあげる。 大げさな由美は、両手の人差し指で耳を塞ぐ仕草をした。 でも実際は、指先は中空に留まり、耳は塞がれていない。 音を聞きたいのだろう。 ポン! 思いのほか間の抜けた音だった。 それでもコルクは真上にあがり、天井まで届いた。 シャンパンのようなプラスチックの栓なら、傷が着くかも知れないが……。 コルクであれば、まったく大丈夫のようだ。「ばんざーい」「なにそれ。 あ、零れる零れる。 美弥子さん、グラス」 美弥子は慌ててワイングラスを、万里亜の手元に差し出した。 ボトルの口から、白い泡状のワインが流れ出していた。 泡の綴れとなったワインが、どうにかグラスに収まった。「困った早漏ちゃんね」「万里亜さん、いきなり下ネタ」「女ばっかりなんだからいいでしょ」 万里亜がおかしなことを言うから、映像が浮かんでしまった。 万里亜の手により擦られた陰茎から、精液が噴出するシーンだ。「由美ちゃんもグラス、出して」「はーい。 でも、万里亜さんがヘンなこと言うから……。 違うのが注がれてる気がする」「そんな可愛い顔してても、頭の中ではエロいこと考えてるのね」「わたしの頭の中は、いつもそういうことで一杯です」「呆れた」「じゃ、改めて乾杯しましょ」「何に乾杯します?」「もちろん、3人の門出と……」「門出と?」「3人の性欲に」「えー」「あるわよね? 性欲」「あります!」「それじゃ、乾杯」「カンパーイ」 グラスが合わさる涼やかな音が、テーブル上に響いた。由美と美弥子 3052 <目次> エロ本を拾った話