由美と美弥子 3344

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Mikiko’s Room
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2021-07-18 06:10:05
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■「入って」 香織を従えてリビングの開口部を潜る。 リビングとダイニングの間に仕切りはない。 リビングダイニングという造りだ。 ダイニングテーブル脇のベッドは、イヤでも目に飛びこんでくる。「誰っすか?」「見たことない?」 香織は胸に衣類を抱えたまま、エアーベッドに駆け寄った。「あ、知ってます、この人。 最近、見るようになりました」「引っ越してきたばっかりなんだって」「でも……」 香織は、美咲の顔を凝視していたが……。 なぜかその場で後ずさった。「何で寝てるんですか? ていうか、ぜんぜん動かないし。 ま、まさか……。 し、死んでるんじゃ。 絵里子さん、ひょっとして! わたしに殺人の罪を着せようとして?」 香織は絵里子に正対し、首を振りながら後ずさりした。「バカかお前は。 2時間ドラマの見過ぎなんだよ。 よく見てみな、お腹のあたり。 呼吸してるでしょ」 香織は顔を絵里子に向けたまま、美咲の方をチラ見した。「あれ。 ほんとだ」 ベッドの美咲に近づく。「寝てるんすか?」「そうだよ」「でも、何で? 何でダイニングにベッドがあって……。 そこにこの人が寝てるんすか? わけわかりません。 しかも、下着だし」「ワンピにビール零したから、今、洗濯中。 かいつまんで言うと……。 酒と睡眠導入剤入りのピザで、こうなってるわけ」「そんなの入れたんすか? 立派な犯罪でしょ。 この人が訴えたらどうするんですか」「だから、訴えられないネタを、これから撮るんだよ。 スマホ、持ってるだろ」「ありますけど」「服なんかそこらに置いて。 スマホだけ用意」由美と美弥子 3343 <目次> エロ本を拾った話