もうこの形状を見れば……。　何のためのアイテムかは、バージンでもわかるだろう。　そう。　ペニスバンドだ。　陰茎を持たない女性が、自らの股間に着用する装具だ。　一般的には、レズビアンの立ち役が用いる。　まれに、男女間で使われることもある。　Ｓ嬢が装着し、Ｍ男のアナルを責める場合だ。　もちろん絵里子は、前者での目的で装着する。　レズビアンやＳＭプレイにおいては……。　太った女性は、ネコ役、Ｍ役である場合が多い。　しかし、絵里子は違った。　元々は太っていなかったからかも知れない。　責めることを好んだ。　その場合、この体重が有効な武器となった。　絵里子は、腰に回る部分のストラップを両手で掴んだ。　ストラップは、すでに組んだ状態になっている。　後ろの部分はＴバックだ。　股間下を通る縦のストラップが、前面の逆三角形基部の下端と繋がっている。　絵里子は、下着を穿くように、縦のストラップが作る区画に片脚ずつ入れた。　基盤を股間まで持ちあげ、位置を調整し……。　ストラップを締める。　これで、股間から黒い陰茎を突き出した立ち役の完成だ。　しかし、絵里子の体型でペニバンを装着した画像は、ネット上にもほとんどないだろう。　ペニバンの商品モデルは、すべてと言っていいほどスレンダーな女性だ。　また、実際のプレイの動画でも、そういうタイプの女性が装着している。　太めの女性は、ペニバンで責められるネコ役であることがほとんどだった。　絵里子はキッチンを出て、玄関前に回った。　もちろん、姿見にわが身を映して見るためだ。　歩む度に、股間のディルドゥが上下に振れる。　男性は、常にこんな感触を感じながら歩いているのだろうか。　あるいは、パンツに包まれているから、揺れることはないのかも知れない。　そもそも、普段は勃起してないわけだ。　でも逆に、股間丸出しで勃起していれば、歩くごとに揺動を感じるのではないか。　このまま玄関を開けて、廊下を歩いてみたいと思った。　もちろん、出来はしない。　誰かに会ったら、もうここでは暮らせなくなる。　しかし、今日の昂奮は、誰かと共有したかった。　そうだ。　あの子を呼ぼう。由美と美弥子 3325 ＜目次＞ エロ本を拾った話