由美と美弥子 3307

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Mikiko’s Room
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2021-05-28 05:31:53
- Niconico
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「時間は大丈夫?」「ぜんぜんヒマです。 今日は主人も帰ってきませんし。 出張なんです」「まぁ。 引っ越し早々、こんな可愛い奥さんをひとりにして……。 さぞご心配でしょう」「そんなわけないです。 仕事だけの人ですから」「お子さんはもう、学校?」「いえ。 いないんです。 なかなか出来なくて」「ごめんなさい。 悪いこと聞いちゃったわね」「いえ。 悩んでませんから。 自然に任せてます」 女性をリビングに導こうとしたが、エコバッグを持ってもらったままだった。「悪いけど、キッチンに回ってもらえる」「はい」 新しいマンショではないなので……。 キッチンは流行りの対面式などではなく、昔ながらの壁付けタイプだった。 シンクの後ろに、4人掛けのテーブルがある。 おそらく、どの部屋も同じだろう。「そこに置いてくださる」 絵里子は、手の平をテーブルに向けた。「重かったでしょ」「いえ。 力持ちですから」「若いものね」「気持ちだけは。 子供がいないせいかも」「お茶入れるわね。 リビングに行ってて。 間取りが同じだろうだから、わかるわよね」「あの。 ここがいいです。 ここの方が落ち着く感じ」「そうか。 そうよね。 お客さまじゃないんだもの。 主婦仲間だもの。 お茶はキッチンでよね」「嬉しいです。 わたし、この歳になっても人見知りで……。 なかなかお友達が作れないんです」「まぁ。 じゃ、わたしがあそこで転けたのも、神様のお導きかも」「きっとそうです」「そしたら、新しい出会いに乾杯しなくちゃね」「はい」由美と美弥子 3306 <目次> エロ本を拾った話