由美と美弥子 3302

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 女性は、ようやく求めるボックスを見つけたらしく……。 持って来たポリ袋を、中に押しこんだ。 振り返って絵里子に気づくと、叱られたように頭を下げた。 目がテンパっていた。 見知らぬ土地にまだ慣れず、不安な毎日を過ごしているのだろう。 年齢は、いかにも若妻らしい服装などからして、30代半ばくらいか。 絵里子よりは、10歳ほど若いことになるが……。 しかし、それに輪を掛けて幼い印象だった。 ひょっとしたら……。 子供がいないのではないか。 絵里子は、女性が集積所を出るのを見送ると……。 ダストボックスから、女性が押しこんだポリ袋を引っ張り出した。 女性が入れたのは、可燃ゴミのボックスだった。 きつく縛ったポリ袋の口を開く。 紙くず類に混じって、丸めたガムテープや軍手が捨てられていた。 まだ、引っ越し荷物の片付けが済んでないのかも知れない。 絵里子が探していたのは……。 コンドームだった。 もちろん、使用済みのものだ。 コンドームをプラごみに入れる人もいるようだが、それは間違いだ。 天然ゴムであるから、可燃ゴミに出すのが正しい。 もちろん絵里子は、分別のチェックをしているわけではない。 このマンションで、夜な夜な行われている性行為。 その痕跡を確認するのが、ひとつの生き甲斐と云ってもいい。 とにかく、異様に昂奮するのだ。 どこが出したゴミ袋かわからないこともあるが……。 中には無防備に、ダイレクトメールなどがそのまま丸めて捨ててある袋もあった。 宛名を見れば、どの部屋か丸わかりだ。 コンドームだけを拾いあげ、ポリ袋はそのまま戻す。 コンドームの捨て方もさまざまだった。 縛っただけで放りこんである家もある。 縛らずにティッシュに包んだものもある。 中身がティッシュに漏れていることもあった。 コンドームをゲットした日は、もちろんパーティーだ。 1人だけのパーティー。 夫も子供も、当面帰って来る心配はない。 玄関ドアを閉め、鍵を掛け、サンダルを脱いで、小さな玄関ホールにあがる。 その時点でもう、リミッターは外れている。 ポケットから出したコンドームを、シューズボックスの上に置く。 それを凝視しながら、着ているものを脱いでいく。 いや、かなぐり捨てていく。 あっという間に全裸になる。由美と美弥子 3301 <目次> エロ本を拾った話
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