由美と美弥子 3276

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「あぅ」 薫の指先が、いきなり核心に届いた。 陰核だった。 指の腹が陰核を滑り、スリットに潜りこむ。「ぐちゅぐちゅでしょ? パンティ穿かないわけ、わかるわね」 典子は、薫の亀頭に指先を絡めた。 先走りが指を濡らす。 男女が隣り合って座り、互いに粘液を垂れ零しているのだ。 戦きが、甘い錐となって脊髄を貫く。「ねぇ。 ここでやっちゃいましょうか。 性交」「ヤバすぎでしょ。 誰か来たら、どうすんの」 見せてやればいいと云いたかったが……。 確かにリスクは高い。 相手を選べないのだから。 巡邏の警察官が通らないとも限らない。「残念ねぇ。 じゃ、お互い、スカーフの下でイッちゃうわけか。 どう? イケそう?」「うん」 典子が、薫の陰茎を扱き始めようとしたときだった。 遊歩道の舗石に、音が聞こえた。 近づいて来る。 ヒール音だ。 思いがけず近かった。 薫との会話で、気づくのが遅れたようだ。 薫は顔をしかめた。 「ほらやっぱりヤバかったじゃない」と、その顔が言っていた。 典子は、スカートの裾を下ろすだけでいいが……。 薫の一物の収納は、間に合わないかも知れない。 でも、こうしてスカーフで覆っていれば気づかれないだろう。 しかしそのとき、典子の脳裏に甘い囁きが聞こえた。 見せてやれば。 人に裸を見せる。 人に痴態を見せる。 その悦び。 端緒は、やはり中学時代の石上先生だろう。 先生の思いがけない懇願で、野外で乳房を見せたのだ。 あれが、わたしの人生の原点だ。 靴音はひとり。 典子は手を止めたまま、靴音の主を待った。由美と美弥子 3275 <目次> エロ本を拾った話
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