自主防災会の巡回とはわが町の自治会が行う「火の用心」の練り歩きだ結論から言うと、落胆せず臆することなく、かといってガッツいたところはおくびも見せず、普段どおりの態度で誘えばいい。というのも、こんな台詞を口にする女の心理というのは、微妙繊細なところをゆらゆらと漂う、不安定な状態にあるからだ。飲みの誘いに応じるからには、決してこちらに興味がないわけではない。ただ、完全に信用しているわけでもないので、予防線の一環として、亭主の存在を打ち明けたと考えられる。あるいは、単に亭主のグチを聞いてもらいたいだけなのかもしれない。もちろんその場合も、こちらに多少の興味があってのことだ。モノにするチャンスは十分あると言っていいだろう。何かしらターゲットと一緒に酒を飲む名目を作ってしまうのが一番だ。たとえばこんな風に。男︿最近、仕事の調子どう？﹀女︿すごく忙しかったんだけど、やっと一段落ついたの﹀男︿そいつはお疲れさん。大変だったね。あ、そう言えば、銀座にシャレたフレンチレストランが出来たらしんだけど、そこでお祝いでもしようか﹀あるいは、こう。女︿昨日、上司にこっぴどく叱られてさあ﹀男︿そっか、大変だったね。あ、そう言えば浅草に旨い鰻屋があるって聞いたんだけど、そこでパーツと気晴らしでもしようか﹀このように多少強引でも「集う理由」を提示すれば、普通に誘うよりギラついた感じをカモフラージュできる。その意味では「あ、そう言えば」のひと言もマストだ。︿一度、飲みにでも行きません？　今度の土曜はどうかな？﹀せっかく勇気を出してメールしても、これでは相手がよほどこちらに好意を持ってない限り、サラッとかわされるハメになる。︿ごめんなさい。その日は予定が入ってるの﹀と。そこで推奨したいのが『択一法』である。︿新宿でいい居酒屋みつけたんだけど行ってみない？　木金土あたりで空いてる日教えて﹀おわかりだろうか。求める答えを「飲みに行くか行かないか」ではなく「３日のうちのいつか」にすり替えているのだ。居酒屋に行くことをすでに大前提として。面白いもので、女というのはこの手の択一問題を出されるとつい本気で回答してしまうものだ。むろん、ハナから脈ナシならそれでも断られるだろうが、当確ラインぎりぎりの場合は、かなり有効だ。人妻を口説こうと思ったら、こちらも既婚者だとアピールしたほうがいい。というか、仮に独身でも結婚してると言うべきだ。彼女たちは、不倫願望はあっても、相手にのめり込まれて家庭が壊れることを最も恐れている。でも、結婚してる人なら、そのへんのことをわかって付き合ってくれるだろう。そう思わせるためにも既婚者アピールは必須だ。こちらが結婚してると言うと、夫婦仲はどうなのかと、人妻はよく聞いてくる。相手ひとすじをアピールするために、「仲、悪いんだよ」と答えるのは間違い。奥さんを大事にしない人は私のことも大事にしない、と思ってしまう。正解は「夫婦仲はいいけど、女性としては見れなくなった』。これぞまさに人妻自身もダンナに対して抱いている感情であり、互いに求め合うものが一致する。人妻が他の男と２人で会ってる時点で、ダンナに不満があることは明白である。ただ、女にも見栄があるので、自分から積極的にはペラペラと愚痴ってはこないもの。なので、こちらの夫婦関係を誘い水に、しゃべりやすくしてやろう。「ウチはだいぶ前から夫婦で出かけることがなくなったよ」「新婚時代は『行ってきますのチュー』とかもしてたんだけどね」「夜のほうはもう何年もないかも」ウチもよウチもよと同意するうち、女はダンナのダメっぷりを再認識し、不倫への勢いがつく。ダンナの愚痴をこぼしてくれると、ついつい一緒に乗っかってしまいがちだ。「そんなヤツは駄目だよ」と。しかしこれ、印象は悪い。自分が悪口を言うぶんにはかまわないけど、あなたにまで否定される筋合いはない、と女は思う。例えていえば、親の悪口を他人に言われたときのような複雑な気分と似ている。だからといってダンナ側に付いて彼女に説教するのも間違いだ。正解は「もし自分がキミのダンナなら」という前提で、彼女の味方に付くスタンスだ。『俺がキミの旦那なら、そんなこと言わないのにな』『俺が旦那だったら、絶対放っておかないけどな』こんなふうに。人妻を狙うとき相手がセックスレスかどうかは知っておきたいもの。欲求不満なら、それだけオチやすくなるのは自明の理だ。ただ、面と向かって「ダンナとエッチしてる？」なんて聞くのは下心が見え見えだ。正解はこれ。「●●さんみたいな女性なら毎晩離さないよ。ダンナもそうでしょ？」手をつなげばオチるというものではないが、つなげなければまずオチないとは言える。さっさとそのへんの判断は済ませておきたいところだろう。自然なタイミングは居酒屋から外に出た直後だ。女がカバンを持ってない側に回って、「じゃ行こうか」と、手をつかむ。ただそれだけだ。これ、しばらく歩き出してからでは気まずいし、会ってすぐでも気持ち悪い。飲んだ直後が唯一にしてベストなタイミングだ。もし拒まれれば、その日はオチないものとあきらめよう。「ラブホ行こうよ」と言い出しにくい理由は、照れくささ＋女の態度が豹変する恐れ、の二つでしょう。簡単なのは、『カラオケのあるとこ行こうよ』『のんびり横になって映画でも観ようか』と、ラブホという言葉を使わない誘い方。これなら照れなくていいし、女も「うん」と言いやすい。他にも、ホテル街を歩きながら、看板を見て、『アランド（ホテル名）行こうよ』 と、ホテル名をずばり口にすると、ギャグっぽくなって場が和む。「酔いが冷めるからコレ飲みなよ」と、ポカリスエットをグビグビ飲ませるのが正解。いかにも酔い覚ましの効果がありそうなポカリだが、実はアルコールの吸収を促す作用を持っているのだ。昔からナンパ師たちが、 焼酎のポカリ割りをよく飲ませるのもそのためだ。