「なんか……。　わからなくなってきました。　副工場長さんは、2回も浮気してて……。　志津子さんは、それをどっちも知ってるって云うか……。　公認みたいなのに、2人の関係は壊れない。　なんでなんですか？」「それはね。　人間の本性を受け入れてるからよ。　昭夫もわたしも人間。　人間の生きる意味ってなに？」「えー？　急に難しいこと聞かないでくださいよ」「難しくなんかない。　それは、種を繋ぐことよ。　ほかの生き物とまったく同じ。　わたしも昭夫も、あなたのご両親も……。　みーんな、種を繋ぐために生きてる。　ま、わたしたちはちょっと遅過ぎちゃったけどね。　でも、あなたはまだこれからよ。　あなたも、種を繋ぐために生きてるの。　わかる？　早い話、男と交わるために生かされてるのよ。　セックスすることが、人間として生きる本分なの。　おわかり？」「確かに、そうかも知れませんけど……。　感情的に納得できないっていうか……」「そうよね。　実際に、目の前で見ないとね。　一番良いのは、ご両親の性交場面を見ることだと思うけど……。　それはちょっと、ショックも大きいだろうし……。　逆効果になっちゃう可能性もある。　最適なのは……。　そうよ、この副工場長さんよ」「なんでだよ」「工場では、理想的なお父さんって感じなんでしょ？」「はい」「そういう人も、家ではちゃんと、人間としての本分を果たしてる。　すなわち、セックスしてる」「種は繋げないけどな」「わからないわよ」「なんで。　おまえ、上がってるじゃないか」「隣の百合枝よ。　あの人、まだ生理があるんだから。　槻本さん、この副工場長。　隣の奥さんに、中出ししたのよ」「……」「意味、わかるわよね。　隣の奥さんの膣内に射精したってこと」「そこまで説明しなくていいだろ。　それに、無理矢理したわけじゃないぞ。　逆だろ。　百合枝さんが抜かせてくれなかったんだ」「槻本さん、どう思う、この男」「衝撃です」「まだ信じられない？」「はい」「じゃ、百聞は一見にしかずね。　2人とも、こっち来て」由美と美弥子 3216 ＜目次＞ エロ本を拾った話