由美と美弥子 3190

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    「チャッチャ、ラチャッチャ。 チャッチャ、ラチャッチャ」「何よそれ? 手品でも始めるつもり?」「だから、『マンボNo.5』だって。 うーーーーー、マンボ!」 わたしは、あやすように志津子を揺さぶりながら、リビングを歩き回った。 わたしも、まだまだ若い。「腰、痛めないでよ」 志津子にとっては、わたしの腰が使えなくなったら一大事なのだろう。 なに、まだまだ大丈夫だ。 若いころは工場で、もっと重いものを持ちあげていたものだ。「チャッチャ、ラチャッチャ。 チャッチャ、ラチャッチャ」 わたしはリビングを出て、玄関に向かった。 別に目的があったわけではない。 浮き立つ心が、足を運ばせたのだ。 マンションの一室で、初老の男女が「駅弁」で番っている。 なかなかないシチュエーションではないか。 玄関の上がり框まで来た。「このまま外に出ようか?」「バカ言わないで。 通報されるでしょ」「見つかればだろ。 誰もいない確率の方が、遙かに大きいんじゃないの」「か、確率の問題じゃないわよ。 ひぃぃ」 志津子がしがみついてくる。 なんやかや言いながら、このまま戸外に出ることを想像して、余計昂奮したのだろう。 ま、さすがにわたしも、そこまでのリスクを取るつもりはない。 待てよ。 ベランダはどうだ? 囲いは、柵ではなく腰壁だ。 胸から下は、壁に隠れてしまう。 裸の胸は出てしまうが、外からの視線はないだろう。 ベランダの向こうは、広い河川敷だった。 でも、少し寒いかも知れないな。「チャッチャラチャッチャ。 チャッチャラチャッチャ」「で、出ないでよ」「大丈夫だって」由美と美弥子 3189 <目次> エロ本を拾った話
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