人間の業 ― 綺麗事の裏側 第122話:【連載】知っておきたい認知症のコト 第22回
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2026-10-30 20:00:00
人間の業 ― 綺麗事の裏側 第122話副題:大切な「もの」や「気持ち」を守るために ―― 物取られ妄想・被害妄想への向き合い方今回は、認知症の介護において直面しやすい「妄想(被害妄想・物取られ妄想)」への向き合い方と対応のコツをテーマにお届けします。例えば…「財布を盗まれた」「誰かが家に忍び込んでいる」――。認知症の症状が進む中で、ご家族が最も心を痛め、対応に苦慮されることの一つがこの「物取られ妄想」や「被害妄想」です。一生懸命にお世話をしているご家族ほど、疑いの目を向けられたときに深いショックや疲弊を感じてしまうのはごく自然なことです。今回は、なぜこうした妄想が起こるのか、そしてご家族の心身の負担を減らすための具体的なアプローチを整理します。1. なぜ「盗まれた」と思ってしまうのか?物取られ妄想の裏側には、単なる物忘れではなく本人なりの強い不安や論理が存在しています。記憶の欠損を埋める心理「自分でしまった場所を忘れた」という記憶の抜け落ちを、脳が「誰かが持っていった」という辻褄の合うストーリーで補おうとします。「大切なものを失う」という漠然とした不安記憶力や判断力が低下していく中で、「自分の立場や資産を守りたい」という防衛本能が強く働いた結果です。身近な人ほどターゲットになりやすい最も頼りにし、一番近くにいる介護者(配偶者や同居の家族)だからこそ、関わりが深い分だけ意識が向きやすくなります。2. 対応時の「3つの NG」と「基本のステップ」妄想の症状が出たとき、感情的に反論してしまうと逆効果になることが多くあります。【避けたい対応(NG)】真っ向から否定・反論する(「盗んでないよ!」「あなたが忘れたんでしょう」)問い詰める・説得しようとする放置して無視する【おすすめの対応ステップ】ステップ1:まずは感情を受け止める(共感)「大切なものがなくなったら心配だよね」「不安だったね」と、「なくなったことに対するショックや不安」に共感します。事実の確認ではなく、気もちに寄り添う姿勢を見せることが第一歩です。ステップ2:一緒に探す姿勢を見せる「一緒に探してみようか」と味方になることで、敵対関係になるのを防ぎます。ステップ3:見つかったら本人の手柄にする家族が見つけた場合でも、「ここにあったよ!」と見せるのではなく、「ここに入っていましたよ」「見つかってよかったですね」とご自身の手で見つけられるよう誘導するか、さりげなく手渡すのがコツです。3. 介護者の心を守るためのアドバイス「自分がこれだけ尽くしているのに…」と正面から受け止めすぎないことが、長期的な介護において非常に重要です。「病気の症状」と割り切る意識を持つあなた個人に向けられた悪意ではなく、脳の変性による「症状」が言わせているのだと一歩引いて捉えましょう。第三者の手を借りるデイサービスやショートステイ、ケアマネジャーなど、第三者が介入することで一時的に妄想の矛先が逸れることも多くあります。一人で抱え込まず専門家に相談する症状が激しく、暴言や興奮を伴う場合は、主治医や専門医(精神科・神経内科)に相談し、お薬の調整を含めた対応を検討することも大切です。>この話が気に入ったら、ランキングバナーをポチッと押していただけると励みになります。



