知佳の美貌録「特別室のおじいさん」

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人妻・熟女の不倫実話と創作官能小説 | 知佳の美貌録 0view
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    知佳の美貌録副題:秘密のドライブと化けの皮他病棟への立ち入りすら厳しく禁じられている身だというのに、隣の病棟のおじいさんは看護師の目を盗んでは、何食わぬ顔で手土産を携えて久美の部屋を訪れた。その飄々とした佇まいには、病院の規律をどこか***してしまう不思議な余裕があった。「外の空気を吸いに行こう」そう誘われたとき、久美の胸をかすめたのは禁忌を破る恐れではなく、どこか甘やかな期待だった。本来なら付き添いなしの外出など許されるはずもない。友人の知佳に付き添いを頼んだところで、看護師たちに冷たく却下されるのが目に見えていた。しかし、このおじいさんと一緒なら――病院の外周を少し散歩するくらい、誰も文句を言わないのではないか。根拠のない確信が久美の背中を押し、彼女は喜んでその手に乗った。翌日、小綺麗に着替えたおじいさんが迎えに来た。連れられるまま病院裏手の駐車場へと向かう。砂利を敷き詰めた広場の最奥にぽつんと佇んでいたのは、埃を被った古めかしいクラウンだった。ドアを開け、シートに身を沈めながら「どこへ行くの?」と尋ねると、おじいさんはただ「帰るんじゃ」とだけ短く応え、静かにエンジンを響かせた。車窓を流れる見慣れた景色が、途端に非日常の色彩を帯び始める。途中で立ち寄った小さなラーメン屋で、二人は定食を注文した。静かな満足感とともに汁を飲み干したおじいさんは、伝票も見ずに千円札を一枚、店の者に差し出した。「いつもありがとうございます」店員は何の疑問も抱かずにそれを受け取る。その光景を目にして、久美は思わず身を乗り出した。「ちょっと、定食は六百円って書いてあるじゃない。私、お金持ってきてないよ。奢ってくれるんじゃなかったの?」パニックと非難の入り混じった声を上げる彼女に対し、おじいさんは悪びれる様子もなく、ただ淡々と、あっけらかんと言い放った。「ああ、この店ではいつもこうだ」その一言に、久美の心に小さな違和感の影が落ちた。辿り着いた自宅は、思いのほか立派な豪邸だった。だが、おじいさんが久美を案内したのは、表玄関ではなく惨めな勝手口だった。尋ねてみれば、この家はすでに娘に譲ったのだという。中庭を渡る総ガラス張りの長い廊下。光が透けるその空間を歩きながら、久美の頭には「もしかして、愛人の隠れ家としてここを使っているのだろうか」という密かな疑念が首をもたげた。しかし、足元をすくうように明かされた真相は、もっと世俗的で泥臭いものだった。おじいさんがリスクを冒してまで帰宅した真の目的――それは、彼が所有するいくつかの借家を回り、家賃を集金することだった。娘に管理を任せないのは、任せてしまえば集めた金から容赦なく「ねこばば」されてしまうからだった。どこまでも泥臭く蓄財に執念を燃やすおじいさんにとって、血の分けた娘ですら金をかすめ取る障害でしかなかったのだ。そして、自動振り込みに応じようとしない不真面目な借り手に対しては、自ら足を運び、脅してでも最後の1円まで回収するのだという。「デートがてら集金だよ」と満足そうに笑うその声に、久美の胸の高鳴りは一気に冷めていく。さらにおじいさんは、口元を歪めながら自慢げに語り続けた。なぜ自由な外出が許されるのか――副院長と特別なパイプがあり、病棟も破格の「特別室」を宛がわれていること。入院費はすべて保険で賄われているため、副院長に一言頼めば、いくらでも入院期間を延ばせるのだということ。ガラス張りの廊下に差し込む光は、先ほどまでの魅力的な輝きを失っていた。おじいさんが滔々と語る特権意識と身勝手な欲望。それに触れれば触れるほど、彼を取り巻いていたあの「魅力的な大人の余裕」の正体が、単なるズルさと傲慢さに過ぎなかったのだと、久美の心は冷ややかに冷めきっていくのだった。>この話が気に入ったら、ランキングバナーをポチッと押していただけると励みになります。
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