知佳の美貌録「仮面の楽園」

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人妻・熟女の不倫実話と創作官能小説 | 知佳の美貌録 0view
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    知佳の美貌録副題:〜自由という名の放任と、密室の檻〜「リハビリに最適な、温泉の出る素晴らしい環境です」そんな甘い謳い文句に導かれ、久美がその療養施設へ転院してから3日が過ぎていた。見舞いに訪れた私が受付のカウンターで久美の名を告げると、受付係は視線も合わせず「面会は原則禁止です」と冷たく言い放った。門前払いの無機質な言葉に一度は足が止まったものの、胸を突く胸騒ぎを拭いきれず、思い直して身分と事情を強く問い質した。すると受付の態度は一変し、投げやりな口調でこう返してきた。「病室なら……たぶん2階じゃないですかね」『たぶん』——その一言に絶句した。誰がどこに入院しているのかを管理する台帳も、名簿すら存在していないのではないか。そう疑わざるを得ない杜撰さが、玄関口から匂い立っていた。案内もなく自力で階上へ向かうと、建物内で唯一解放されている階段が見えた。だがそこは自由のための通路ではなく、天井の暗がりから監視カメラが鋭い光を光らせていた。患者が階段室に一歩でも足を踏み入れようものなら、どこからともなく看護師やすっ飛んできて押し戻す。それがこの施設の「ルール」だった。施設内は、異様な歪さに満ちていた。まるで健康ランドのように、飲食物の持ち込みは野放し。糖尿を抱えた患者たちの手元には、甘い菓子やジュースが無造作に転がっている。リハビリと称して温泉には浸からせるものの、体を動かす実質的な訓練など何ひとつ行われない。「快適で自由な療養空間」という綺麗事の皮を被りながら、その実、医局へと続く廊下以外のすべての扉には重々しい鍵が下ろされていた。閉ざされた扉を開けてもらうための条件は「付き添い人がいること」だけ。それすらも、解錠が許されるのは屋上へと続く殺風景な階段のみだった。さらに恐ろしいのは、職員たちの無責任さだった。屋上へ出た患者と付き添いに対し、自ら解錠の許可を出したことすらあっさり忘れ、外に出ている間に鍵をガチャリと施錠してしまうことがあるという。そうなれば最後、外から内部を呼ぶ手段などどこにも存在しない。取り残された者は、ただ静まり返った屋上で、降りられなくなる恐怖に震えるのだ。不調を訴えようとナースステーションへ足を向けた久美を、看護師たちは怯えたような目で睨みつけ、荒々しい言葉で追い返した。ここは何のために存在する場所なのか。患者を回復させるための施設なのか、それとも「快適」という甘い蜜を与えて閉じ込め、人間の尊厳を奪う檻なのか。久美の困惑と絶望が混ざり合った瞳を見つめながら、私はこの場所に渦巻く、人間の怠惰と欺瞞という名の「業」の深さに静かに戦慄していた。>この話が気に入ったら、ランキングバナーをポチッと押していただけると励みになります。
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