由美と美弥子 3122

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    「あが。 あがが」 女性の顔がシーツに横倒しになった。 口元あたりのシーツに、染みが広がっていた。 よだれを垂れ流しているのだ。 それほどまでにいいのか。 女性に、そこまでの悦楽を与えている自分が信じられなかった。 30過ぎまで童貞だった自分がだ。 これまでの人生を、取り戻しているみたいだ。「い、いぐ……。 いぐいぐいぐいぐ」 女性は声を裏返し、サイレンのようにわめき始めた。 ビジホで隣の部屋に客がいたら、通報されかねない声だ。 男は、目に流れこもうとする汗を、顔を振って払った。 3度目の兆しが、背筋を駆けのぼった。「出る。 出る!」「まだよ。 も、もう少しだから!」 尻に鳥肌を立てて堪えたが……。 もう、待つことは不可能だった。「あんが」 激しい放出感が、陰茎を貫いた。 まるで、魂を撃ちこんだようだった。 亀頭が、精液を絡めて滑る。 男は、渾身の意思力で喪神を堪え……。 陰茎をさらに突き下ろし続けた。 過敏になった亀頭の痛みが、全身を突き抜ける。「いく!」 女性が、高らかに宣言した。「あぎゃ。 あぎゃぎゃぎゃ」 女性の顔が破裂した。 見開いた両目が突出し、鼻の穴が開き、歪んだ口元からは舌が飛び出た。「が」 人形浄瑠璃のガブのように、女性の眼球が裏返った。 両眼が、真っ白いピンポン玉に変じた。 瞳が消えていた。 渡せた……。 彼岸に。 男の背に、心地よい満足感がのしかかる。 首筋から意識が抜けるのを感じながら……。 男の身体は、女性の背に、餅のように溶け崩れていった。由美と美弥子 3121 <目次> エロ本を拾った話
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