由美と美弥子 3114

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    「触って」 ぬるりとした生々しい感触が、指の腹を包んだ。 人体の感触ではなかった。 肌でさえない。 指先が、生暖かい粘液で包まれた。 男の脳裏には、好物の蓴菜《じゅんさい》が浮かんだ。「わかる?」「……?」「コリコリしてるの」 確かに、握ればぬるりと逃げるような粘液の中に、硬いしこりが埋もれていた。「そこが、乳首より敏感なところ。 クリトリス。 男性で云えば、亀頭ね。 勃ってるの、わかるでしょ? もっと触って。 あなた。 脅迫者なんだから、もう少し乱暴にしてよ。 押しつけて。 手の平で揉んで」 男は揃えた指の腹に突起を捉え、押しつけた。 手の平の向こうに、明らかに肉とは違う硬いものを感じた。 骨だ。 自分にもある。 陰茎の上の骨だ。 確か、恥骨と云った。 硬い蓴菜が逃げないように指の腹で捉え、恥骨に押しつける。 そのまま揉みこんだ。「あひぃ。 いぃ。 いぃ。 あなた、上手いわ。 ほんとに童貞なの。 もったいない。 女泣かせになれるわよ。 ひぃ。 ひぃ」 女性は、男に抱きついてきた。 立っていられないようだ。 男は、女性にこれほどの悦楽を与えている自分が信じられなかった。「だめ。 だめ。 イク。 イク。 イッちゃうイッちゃう。 あが。 あが。 あんがが」由美と美弥子 3113 <目次> エロ本を拾った話
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