由美と美弥子 3110

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    「ぅ……。 あぅ」 男はオットセイのように鳴きながら、射精を続けた。「あらあら、大変」 女性は椅子を立ち、デスクのティッシュケースからティッシュを数枚引き出した。 男の前に戻ると、しゃがみこむ。 カーペットに落ちた精液を、重ねたティッシュで拭った。 男は、迫りあがりそうになる視線を、懸命に引き下げる。 女性の裸の背中から、細らんだ腰、そして張り出した尻が真下に見えた。 尻は骨張り、菱形をしていた。「大丈夫よ。 初めてなんだから。 初めての人、相手にしたことないけど……。 みんなこんなものじゃないの。 大丈夫。 若いんだから。 何回だって出来るわ。 でも、嬉しい……。 わたしの裸を見ただけで、射精してくれるなんて。 長生きはするものね。 人生、何が起きるかわからないわ」 起ちあがった女性は、再びデスクに戻り、さらにティッシュを引っ張り出した。 精液を拭ったティッシュを、新しいティッシュでくるみ、ゴミ箱の底に押しこむ。 なんだか、母親に後始末をしてもらってるみたいだった。「さ、どうする? いくらなんでも、すぐには無理よね。 あ、そうだ。 お風呂、入りましょ。 埠頭であなたを待つ間、イヤな汗、いっぱいかいちゃったから」 男は、射精した姿勢のままだった。 腰を後ろに引き、まるで四足歩行の猿人が起ちあがったばかりのような姿だった。 女性は、その猿の手を取った。「ほら。 お風呂、行くわよ」 なんだか、立場がまったく逆転してしまったみたいだ。 しかし、不様な失態を目撃されてしまった男は、立ち位置を取り戻そうという気力も湧かなかった。 女性に手引かれて、バスルームに向かう。由美と美弥子 3109 <目次> エロ本を拾った話
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