拐かし (かどわかし) 第六話

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人妻・熟女の不倫実話と創作官能小説専門ブログ 元ヤン知佳の美貌録 2view
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     そんなすさんだ生活を送ってるさなか、やくざ者と揉め事を起こした。 連中は必ず大勢で押しかけて来るし、執念深い。 孫兵衛はほとぼりが冷めるまで吉原に身を隠そうと考え、海老屋に若い者として雇ってもらった。 十五歳まで商家の跡取り息子として育ち、寺子屋にも通っていたため、きちんと読み書きできるし、算盤も達者だった。 孫兵衛は海老屋で重宝がられ、今では若い者の筆頭だった。 楼主の信任も厚く、遊女からは「まごさん」と呼ばれ、何かと頼りにされていた。 そんなときに、山鹿屋の息子の新次郎が客として現れたのである。 吉原は上級武士、或いは豪商のような資産家でもない限り高くて上がれない。 下級武士や一般庶民は良くて岡場所、それもかなわないと千世がやっていたような夜鷹を買う。 その吉原にである。 孫兵衛は女郎屋で遊んだとはいえ、それは岡場所。 吉原には花魁道中を見学したり冷やかしに行くことは出来ても上がるなどということは出来なかった。 入り浸りなどと格好をつけたところで所詮切見世、良いと襖で仕切られているが、普通なら障子、更に悪くなると衝立で仕切られているところで雑魚寝のようにし済ませた。 吉原の妓楼は核によって大見世、中見世、小見世に分けられ、大見世は引手茶屋の案内の無い客は受け入れない。 海老屋は中見世のため、引手茶屋の案内の無い直きづけの客でも受け入れた。 また、吉原は九ツ (正午ころ) から七ツ (午後四時頃) までの昼見世と、暮六ツ (午後六時頃) から始まる夜見世と、一日二回の営業となっている。 新次郎は直きづけの客として、昼見世にやってきた。 当初は孫兵衛も新次郎が山鹿屋の息子とは気づかなかった。 相方の遊女は小春といった。 新次郎はその後も幾度となく海老屋にやってきて、小春の馴染みになった。 小春の虜になったと言っても良かろう。 しかも、来るのはいつも昼見世だった。 女郎は格により使える部屋がァ違う。 一階は切見世 (きりみせ/局見世ともいう) 下級女郎が使い。 二階は上級遊女が使う。 孫兵衛は二階回し (回し方) という、二階部屋の全てを取り仕切る役目だった。 遊女と客の間に立って、座敷の設定や宴席などの世話をする。 折を見て、客に揚げ代などの請求をするのも二階回しの仕事である。 ふたりの間を取り持ち、孫兵衛は何かと気を配っていた。 宴席にも顔を出し、酒の酌もするし、盃をもらうこともあった。 ふたりの会話にも時に加わった。 あるとき、宴席で小春がせがんだ。「新さん、たまには泊っていっておくんなんし」 そばから孫兵衛も勧めた。「花魁は新さんとしんみりしたがっていますよ。 泊ってやっておくんなさい」 ところが新次郎は「いや、親父がうるさくってね。 これでも、どうにか誤魔化して、家を抜けて来るんだ。 朝帰りなど、とんでもない」手をヒラヒラと左右に振り、夜遊びはできないと言った。 余程厳格な父親のようだった。>
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