３年前。地元の友人から、こんな誘いを受けました。﹁都内で稼げる居酒屋があるんだけど、一緒にやらない？﹂　時給は１５００円。でも店まで電車だと１時間半ほどかかります。悩んだ末、お試しでやることに。実際に足を運ぶと、そこは繁華街の中にある、３階建ての激安居酒屋でした。生ビールが２００円もしないのです。　外観は料亭風と言うか、奥に座敷があるような、会社の忘年会で使われそうな感じです。都内で何店もチェーン展開しているグループのようです。　営業時間は夕方の５時から朝の４時。給料は手渡しってとこが、なんだか怪しさ満点です。　仕事内容は、ヨソの居酒屋と変わりません。僕はホールとして雇われたんですけど、酒を作ったり、食べ物を運んだり、注文を取ったりと、まぁ誰でもできそうなことばかりです。　閉店後は床や机を拭いて、ビールサーバーを締めれば終わり。で、まかないを食っていると、一人の先輩アルバイトが言いました。﹁じゃあ俺、そろそろ寝るわ～﹂　向かった先は、キッチンの奥。なんと布団を取り出し、２階の客席に上がっていったのです。恐るおそるついていくと、座敷の上にはいくつもの布団が。そうです、ここのバイトはみんな客席で泊ってるんです。わざわざ帰る必要ないじゃん。俺もここで寝泊まりしよっと。　それからは、仕事が終われば、店の中で寝る毎日。週６でシフトに入れてもらえるので、給料は月に40 万ほど。とっぱらいなので税金も引かれてないし、まかない代もタダ。丸ごといただけちゃうわけです。　最後に、住み込み居酒屋の探し方のヒントを。　まず、営業時間が夕方～深夜であることは欠かせません。また、クレカや電子マネーに対応していない店も狙い目でしょう。この時代に現金しか取り扱ってない店は、僕の店も含めて、たいてい脱税してます。だから給料も手渡しだし、従業員の雇い方や、店のマナーもアバウトになります。ま、あくまで居酒屋なので、ピーク時はめちゃくちゃ忙しいし、キチガイ客の対応もしなくてはなりません。　そうしたことにノンストレスの方や、ある程度体力に自信のある方にはオススメです。