由美と美弥子 3498

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Mikiko’s Room
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2022-02-23 06:29:14
- Niconico
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■ 身を隠す猶予はなかった。 入って来たのは、少年だった。 ゴミ袋も何も持っていない。 扉から一歩踏みこんだところで、立ちすくんでいた。 無理もない。 目の前で、裸の女が3人、前衛芸術のオブジェのように絡み合っているのだ。 少年は凝固していたが、次第にその顔が歪み……。 ムンクの「叫び」さながらの表情に変じた。 たたらを踏んで後ずさる。 まずい。 扉の外に出られたら、追いかけられない。 絵里子は全裸なのだ。 絵里子は、美咲の後ろから身を躍らせた。 少年に向かって突進する。 少年の顔は、驚愕から恐怖に変わった。 少年は身を翻し、ドアノブに手を掛けた。 絵里子は、大猿のごとくその背中に襲いかかる。 伸ばした手が、少年の後ろ襟に届いた。 思い切り引っ張り寄せる。 ボタンが弾け飛び、視界の端に消えた。 少年の手が、ドアノブから剥がれた。 後ろから抱きかかえる。 少年は、バッタのように暴れた。 しかし、絵里子の膂力から逃れることは出来ない。 そのまま引きずり、後ずさる。 元の場所まで戻ると、少年の身体ごと振り回し、絵里子も反転した。 美咲は、しゃがみこんでいた。 胸を腿に折りたたみ、その脚に腕を回している。 なるたけ裸を見せまいとするポーズなのだろう。 香織は立ちすくんでいた。 もちろん、全裸のままだ。「こいつ、知ってる?」「見たことはあります」「小学生?」「中坊っすよ。 スクールシャツ、着てますから」 締め抱えたまま少年を見下ろすと、確かに白いカッターシャツ姿だった。 そのポケットに、四角い箱とオレンジのスティック状のものが見えた。 タバコとライターだ。 どうやらここには、タバコを吸いに来たらしい。 子供みたいな体型だが、頭の中は不良気取りか。「香織。 こいつのズボン、脱がせて」「え?」「え、じゃないよ。 こんなとこで素っ裸になってるのを見られたんだよ。 口止めしなきゃならないだろ」「あ。 写真撮るんすね」「早くしな」由美と美弥子 3497 <目次> エロ本を拾った話