「我が大日本男復権協会、、、世に出るときが来た」
東郷寺重右衛門は呟いた。
大日本男復権協会とは、、、、
近年の女権拡大で、男の権力が弱体化してきた。
そのことを憂い、男の威厳を取り戻そうとする組織である。
女性には「男に服従せよ」と説いている。
創設者は東郷寺重右衛門。
東郷寺は女を強くする勢力を叩き潰すため、多数の武道家、格闘家を育成してきた。
「憎きは、この女、、、栗田佳織!!」
写真を持つ手に力が入った。
栗田佳織とは、、、
若い女性に護身術を伝授するため、日本全国を行脚している武道家である。
その活動を通じて現代女性の新しい生き方を啓蒙していた。
東郷寺は弟子のひとりに指令を出した。
「おい、太金山。栗田佳織をブッ叩け!今日の夕方、〇〇体育館に姿を現す」
「ウッス!!張り倒しやす、親方!!ごっつぁんです!!」
巨漢の力士は使命に燃えた目で東郷寺に応えた。
太金山が指定の体育館に行くと、女子バレー選手が一人でコートにいた。
「ウッス!本日、栗田佳織女史がここにいると聞いたのだが、、、」
「いませんよ」と、ユウキは答えた。
「そっすか。聞き間違いか、、、ごっつぁんです」
「あっ!栗田先生なら昨日来ました。護身術を教えてくれて、これからの女性の生き方までレクチャーしてくれました。とても感動しました」
太金山は立ち止まってしばらく考えた。
「ブツブツブツ・・・(この女は、栗田の教えを受けたのか、、、手ぶらで帰るのも格好悪いし、、、この女を懲らしめて、手土産にでもするか、、、)」
「えっと、まだなにか?」
ユウキが尋ねると、、、、
太金山は鯖折りでユウキを締め上げた。
彼女の体はミシミシと音をたてた。
「うっっっ、、、なにするの、、、」
「栗田の教えを受けた者は、シメてやる!!」
彼女は息苦しい中、右手であるモノを探そうとした。
圧迫された体と体の間では、じわりじわりとしか動かせなかった。
まわしに指先を入れ、探し物の存在を確認した。
そして、、、
その探し物をちからいっぱい握った。
「ウウッ、、、、」と、太金山は唸った。
「やめなさい。やめたほうがいいわよ」と、ユウキは小声で諭した。
鯖折りと金玉潰しの我慢対決になった。
「フォゴォ、、、、」
「マジで離しなさい」
太金山が死力を出してさらに強く締めると、ユウキもさらに強く握った。
「ん~~~~がっ、、、、」
死にそうな唸り声を上げ、太金山はユウキを放した。
「女に、、、鯖折りはきついだろ、、、勘弁してやる、、、」
「フフフッ。私ならまだまだ耐えられるわ。私のタマ潰しにギブアップしたんでしょ?」
「違うわい、、、全然、、、痛くなんて、、、ない、、、」
「クスッ。栗田先生のおっしゃる通り、”キンタマは男の急所”よね」
その一言で太金山の表情は一変した。
彼はなぜかまわしを外し始めた。
「キンタマは男の急所ではない。今まではお遊びだ。ガチンコでいくゾ」
ユウキはその姿をキュトンと見つめていた。
*** 後篇はコチラ ***
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