2018.1.13(土)
「よし」
満足したのか、かなえはようやくスマホを構える手を下ろした。
歩の傍らにしゃがみこむ。
正確に云えば、床に広がる歩の精液の傍らだった。
四つん這いになった。
床に鼻を近づける。
「う」
首が跳ねあがった。
「ほんとに、なんでこんな臭いがするんだろ?
これって、植物の臭いですよね」
かなえが、同意を求めるように由美を見あげた。
曖昧な笑みを返すことしか出来ない。
応えを期待していたわけではないのか……。
かなえは、気にする素振りもなく続けた。
「通学でバス停まで通う途中に、レンガ塀のお屋敷があるんですよ。
その塀越しに大きな木が聳えてて、塀を越えた枝が歩道の上まで広がってます。
常緑樹って云うんですか?
冬でも、葉っぱが落ちない木なんです。
その木が、5月ころですかね、花を咲かせるんです。
スゴい匂いなんですよ。
子供のころは、何でこんな匂いがするのか不思議でした。
でもあれって、生殖の匂いだったんですね。
だって、そっくりだもの。
精液の臭いと」
かなえは、床の精液に人差し指を下ろすと、指先を捻った。
鼻に持ってくる。
「臭い……。
臭すぎ」
そう言いながら、人差し指を鼻に突っこんだ。
「はふぅ。
はふぅ」
深く呼吸する。
かなえは、床に両手を下ろした。
両手を柏手を打つ構えで揃え、小指側の側面を床に着けた。
両手の間隔を狭める。
精液を集めているのだ。
「すっごいありますよ」
合わせた手の平に掬い取った精液を、由美に向けて差し出した。
「ほら」
かなえの両手の狭間には、工作糊のように精液が盛りあがっていた。
満足したのか、かなえはようやくスマホを構える手を下ろした。
歩の傍らにしゃがみこむ。
正確に云えば、床に広がる歩の精液の傍らだった。
四つん這いになった。
床に鼻を近づける。
「う」
首が跳ねあがった。
「ほんとに、なんでこんな臭いがするんだろ?
これって、植物の臭いですよね」
かなえが、同意を求めるように由美を見あげた。
曖昧な笑みを返すことしか出来ない。
応えを期待していたわけではないのか……。
かなえは、気にする素振りもなく続けた。
「通学でバス停まで通う途中に、レンガ塀のお屋敷があるんですよ。
その塀越しに大きな木が聳えてて、塀を越えた枝が歩道の上まで広がってます。
常緑樹って云うんですか?
冬でも、葉っぱが落ちない木なんです。
その木が、5月ころですかね、花を咲かせるんです。
スゴい匂いなんですよ。
子供のころは、何でこんな匂いがするのか不思議でした。
でもあれって、生殖の匂いだったんですね。
だって、そっくりだもの。
精液の臭いと」
かなえは、床の精液に人差し指を下ろすと、指先を捻った。
鼻に持ってくる。
「臭い……。
臭すぎ」
そう言いながら、人差し指を鼻に突っこんだ。
「はふぅ。
はふぅ」
深く呼吸する。
かなえは、床に両手を下ろした。
両手を柏手を打つ構えで揃え、小指側の側面を床に着けた。
両手の間隔を狭める。
精液を集めているのだ。
「すっごいありますよ」
合わせた手の平に掬い取った精液を、由美に向けて差し出した。
「ほら」
かなえの両手の狭間には、工作糊のように精液が盛りあがっていた。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2018/01/13 08:12
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今日は何の日
『咸臨丸(かんりんまる)出航記念日』。
安政7(1860)年1月13日、江戸幕府の軍艦『咸臨丸』が……。
日米修好通商条約批准のため、品川沖を出航しました。
艦長は勝海舟。
乗員は、福沢諭吉、中浜万次郎(ジョン万次郎)ら。
アメリカ人水夫の助けを得ながらも……。
日本の船として、初めて太平洋を横断しました。
ただ、この1月13日は、旧暦の日付です。
新暦だと、2月4日にあたります。
『たばこの日(ピース記念日)』。
昭和21(1946)年1月13日、高級たばこ『ピース』が発売されました。
10本入りで、ほかのたばこが4円のところ、『ピース』は7円でした。
1,000箱が1時間で売れた売店もあったとか。
記念日ではありませんが……。
平成2(1990)年1月13日、大学入試センター試験がスタートしました。
まさしく、今年と同じ日付ですね。
それにしても、何でこんな時期にやるんですか!
雪国の受験生には、圧倒的なハンデが生じてしまいます。
大学の入学は、9月にするべきです。
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2. ハーレクイン- 2018/01/13 10:42
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>常緑樹
>5月ころ
>スゴい匂い
ときますと、やはり栗ですかねえ。
クリ、かもしれません(わはは)。
>咸臨丸出航
海舟、諭吉、ジョン万……。
ジョン万次郎は、もっと讃えられてもいいと思いますが、ご本人はそんなこと気にしないかも、です。
たばこの日(ピース記念日)ねえ。
好きにしなはれ、というところです。
センター試験
>何でこんな時期に……は、全く同感ですが、お偉いさんの都合なんでしょうねえ。
がんばれ、受験生諸君
〔と、役にも立たないエールHQ〕
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3. Mikiko- 2018/01/13 12:32
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常緑樹の香り
実はこれ、わたしの実体験です。
高校の最寄り駅で降り、高校まで歩く途中の家にありました。
花が咲くのは、5月の終わりか6月だったと思います。
スゴい臭いでしたね。
たぶん、スダジイだと思います。
栗は、落葉樹ですぞ。
今日は、皮肉なことに晴れ渡りました。
でも、気温が低く、道路がガリガリに凍ってます。
車に乗るのは怖いので……。
長靴にスパイクを付け、リュックを背負い、歩いて買い出しに行って来ました。
真っ白な雪の照り返しがスゴかったです。
UVクリームを塗ってこなかったことを後悔しました。
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4. ハーレクイン- 2018/01/13 15:51
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常緑樹?
わはは。
広葉樹、と思いこんじゃいました。
合わせて常緑広葉樹。
別名、照葉樹。
しっぱい失敗。
教養?が邪魔をする、というやつです。
晴れて冷え込む
放射冷却、というやつでしょうか。
こちらもご同様。
無駄に晴れ、といいましょうか(云わんって)。
〔♪晴れたる青空 漂うくぅもよぉ~HQ〕
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5. Mikiko- 2018/01/13 18:23
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思いこみによるうっかりミス
間違いは間違いです。
受験でやったら、悔やみきれません。
受験生の皆さん、気をつけましょう。
今、これを読んでるような受験生は、もう諦めてるんでしょうが。
本日、新潟市中央区の最低気温は、マイナス5.4度。
うちの区の隣、秋葉区では、マイナス13.2度にまでなりました。
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6. ハーレクイン- 2018/01/13 21:21
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>これを読んでる受験生
いるのかねえ、そないなお方。
センター試験はともかく、受験はこれからが本番。
頑張りましょう。
>マイナス13.2度
市内でねえ。
さすがアキバ区(なんのこっちゃ)。
〔大昔は受験生だったHQ〕