マゾ奴隷化矯正プログラム‐倉屋敷矯正診療所‐

サークル「MayThird」さんの催眠音声作品。
主にCG集やデジタルノベルを製作されてるサークルさんで催眠音声は今作が初です。

今回紹介する作品は、穏やかでちょっぴりSっ気のある女医さんが
催眠を交えた風変わりなエッチで心の内に抱えてる悩みを解消します。

「露出」と「乳首オナニー」に力を入れた変態性の比較的高いエッチが最大の特徴で
前半は観衆に裸を晒す、後半はネット越しにオナニーを披露すると方向性や刺激の強さを変えながら
彼女や他の人々の視線を強く意識させて精神面の興奮を執拗に煽ります。
アンケートに答えさせながら信頼関係を構築し、彼女の言葉に従いやすくする催眠も魅力です。
本当の自分を取り戻すために
倉屋敷矯正診療所の院長「倉屋敷紗依」からエッチな施術を受けるお話。

「どうぞ そちらの椅子に座ってください」
紗依先生は甘く瑞々しい声のお姉さん。
音声を聴く際の注意事項や心構えを簡単に説明すると
診療所の待合室にいる主人公に声をかけ、診察室に入ってもらいます。

本作品は現実世界だと実現が難しいタイプの欲望を発散させることを目的に
彼女が催眠をかけてから1時間近くに渡るM&変態向けのプレイをします。

最終的に彼は彼女の奴隷になってしまうのですが、それもすべて彼を気持ちよくするためのサービスに過ぎません。
彼女が色々押しつけて従わせるのではなく、自分からそうなりたいと願うように誘導します。
おかげで調教っぽいプレイとは裏腹に穏やかな雰囲気が終始漂ってます。

先生「呼吸を続ければ続けるほど あなたの気持ちは落ち着いてきます」
ナレーター「彼女の声を聞いていると あなたの気持ちは 自然と和らいでいきます」
ちなみに作中では話し手として先生とナレーターの二人が登場し
先生は主人公に語りかけたり指示する役、ナレーターは主に彼の心情や感覚を暗示として伝える役を担います。
声が非常に似てるためやや判別しにくいものの、主人公の視点に立って聴きやすくなってます。

それ以外での大きな特徴はエッチの内容と展開。
彼に露出狂の性癖があるのを踏まえて先生や他人の視線を通じてエッチな気分を盛り上げます。
ドライとセルフ両方ありますがおちんちんに触れることは一切ありません。
乳首オナニーをよくすることから乳首開発済みな人の方がずっと楽しめます。

催眠は27分30秒ほど。
先生に呼ばれて椅子に腰掛け、軽く深呼吸してからここがどこなのかを教えてもらいます。

先「ここは歯ではなく心 精神を矯正する診療所なんです」
見知らぬ場所に突然召喚されて不安がる彼に先生はこれから何をするかを丁寧に教えます。
催眠と言うと体を脱力したりカウントを数える行為をイメージするかもしれません。
ですが本作品の場合はその前に先生との信頼関係を構築するところから始めます。

ナ「すぐに答えを出さなくていい 話を全部聞いて判断したほうが安心できる そうあなたは考えました」
ナ「彼女の言葉は あなたにとって とても魅力的に思えました」

そして先生との会話の中にナレーターが主人公の気持ちを代弁する形で暗示を入れます。
入れるタイミングや表現方法に気を遣ってるおかげで、最初はごく普通だった先生の声が
後になるほど妙に心地いいとか、心に響くと感じるようになるかもしれません。
主従関係を結ぶにあたって重要となる「声や言葉に対する印象」を操作することに力を入れて進めます。

お次は再度軽く深呼吸してから施術の手始めとして先生がアンケートを取ります。
彼女の質問に対してすべて「はい」と答えるだけの簡単なもので
それを受ければ彼がどんな性癖を持ち、悩みを抱えてるかがわかるそうです。

先「1、あなたは 今の現実に不満を持っていますか?」
ナ「彼女の恥ずかしそうな声に あなたは心地よさを感じます」
そしてここでも先生は普通に受け答えする役、ナレーターはそれを聞く主人公の役を務め
合計8つの質問を通じて彼女の声に対する依存心をさらに膨らませます。
質問の内容は言ってしまうとつまらないでしょうから伏せますが、すんなり「はい」と答えられるものが多いです。
診察スタイルをとりつつ催眠状態を深めるテーマに沿った面白い誘導です。

先「あなたは既に 催眠状態を経験してるんですよ」
そうやって彼の症状を十分に把握した後、最後に先生がようやく催眠をかけ始めます。
音声を実際に聴いてみれば開始前に彼女がこんなことを言う理由がなんとなくわかるでしょう。
私もアンケートを終える頃には意識のぼやけを強めに感じました。
「気がついたら催眠にかかってた」なんて体験をする人も普通にいると思います。

病院での診察らしさを出しつつ施す珍しいタイプの催眠です。
先生との信頼関係の構築と声や言葉に対する依存心の増幅を目的に
深呼吸を適度に挟みながら先生とナレーターが役割分担して様々に働きかけます。
先生をご主人様と仰ぐための準備に専念してるため声に対する印象操作の暗示が多く
彼女の穏やかな態度も相まって聴けば聴くほど安心感が広がります。

サークルさんの処女作ということで最初は期待と不安が半々でした。
でも実際に聴いてみると全体の流れから細かな言葉遣いまで考えられていてすんなり入れました。
こちらが潜在的に抱いてる不安を上手く取り除き、先生にすべてを委ねやすくしてるところが大きいです。
最後の先生が催眠をかけるよと言うシーンは「あなたは既に催眠に入ってますよ」と教える意味合いも含んでます。

二人の話し手の扱い方もしっかりしていて正直驚きました。
処女作として見る分には比較的レベルの高い催眠です。
二つの性感帯と視線でイかせるエッチ
エッチシーンは4パート57分間。
プレイは乳首オナニー、会陰トレーニング、奴隷の契約、露出、ネット配信しながら乳首オナニーです。

エッチな効果音はありません。
セルフは有りですが射精表現はありません。

先「これから 体の感度を上げていきます」
催眠を使って主人公の心を素直にした紗依先生は
本番への練習も兼ねて乳首をいじらせながら感度の高まる暗示を入れます。

エッチは先生に言われた通り体を動かしたり復唱してドライを目指します。
前半の2パートは本格的なプレイに向けての準備にあたるシーン(約27分間)。
「感度強化」は乳首オナニーや会陰トレーニングをしながら体を敏感にし
「マゾ奴隷化」は奴隷の宣誓をしたり先生の足にキスをします。

ナ「彼女に従っていれば 気持ちよくなれることを実感し より一層彼女に依存していくようになります」
乳首を実際にいじりながら感度を強化するのがやや珍しいですね。
開発済みの人ならピリッとした鋭い快感がそれなりに味わえるでしょう。
ナレーターも催眠パートに比べてセリフの量が減るものの、先生にはできない部分をカバーして没入感を高めます。

先「その乳首の快感に浸りながら 会陰にも意識を向けてください この時点でじわじわーって会陰に力が入るのなら そのまま会陰に力を入れて」
「感度強化」パートの後半で登場する会陰トレーニングも面白いプレイと言えます。
M字開脚の格好で呼吸に合わせて会陰に力を入れたり抜いたりするもので
ある程度続けるとその部分にシュワシュワ、パチパチした感覚が湧いてきます。

ただ会陰はかなりマイナーな性感帯ですから、会陰オナニーの経験によって得られる快感に差が出そうです。
この後始まる露出も含めてアブノーマル要素を多めに含んだプレイを集中的に行います。

対する後半の2パートは主人公の露出願望を満たすことに力を入れた内容。
「エロパート(ドライ)」はステージに上がり観客の前で全裸になるオーソドックスなプレイ
「エロパート(セルフ)」はネット配信しながら全裸でオナニーする破滅的なプレイを楽しみます。

先「見られている 恥ずかしく勃起した乳首を 見られている 恥ずかしい 自然と体が熱くなってきてしまう」
先「この視線を感じるだけで あなたの体は変化していく 視線を感じれば感じるほど あなたは精神的に丸裸になっていく」

視線が主役のプレイということで先生も状況説明と並行して視線を意識し、気持ちよくなる暗示を多めに入れます。
シチュは個性的だし暗示の入れ方もそれほど悪いとは思いませんが
どちらのパートもプレイを実際に始めるまでに8分近くの説明を挟んでることや
プレイ中に周りの状況に関する説明がそれほどなく、視線を浴びてる感じがしにくいところが引っ掛かります。

今回のプレイは物理的な刺激が乳首オナニーしかないため
純粋なプレイ時間が短くなるとおちんちんオナニー以上に絶頂するのが難しくなります。
最初に状況説明をしてプレイに入るのではなく、プレイしながら周りの様子を実況したほうが
時間が長く取れるし実際に裸や痴態を見られてる臨場感も出たのではないかなと。

率直に言えばかけた時間に対して得られる快感が弱く感じました。
全体的に冗長なところがあるのでセリフをもっと切り詰めたほうが密度の高いエッチになると思います。
催眠パートに比べると完成度に難があります。

このように乳首・会陰・視線で気持ちよくする風変わりなエッチが繰り広げられてます。
非日常の快感を追求した作品
どちらかというとエッチよりも催眠に光るものを感じる作品です。

女医のイメージにぴったりな優しくて落ち着いた声と性格のお姉さんが
男性の心の中に溜まってる露出願望を満たそうとエッチな催眠を施します。

催眠を始める前に簡単なカウンセリングをして不安や緊張を解きほぐし
アンケートの最中に心地よさを感じる暗示を入れて声に対する依存心を膨らませるなど
「彼女の言葉を受け入れ、従う」ことを自然にできる心の構築に的を絞り丁寧にリードします。

先「私も あなたのことが好きですよ」
そして先生も心を預けてくれた彼の気持ちに言葉と行為で応えます。
彼女がご主人様になったのは彼がドMだからであって従わせたいからではありません。
催眠をかけた後に始まるエッチも彼の性的嗜好を第一に考えたものに終始してます。
変態性の高いプレイに反して彼女の優しさを強く感じました。

催眠はナレーターの扱いがとても上手で割と入りやすいです。
主人公の心情変化をそのままなぞっていくので自分と重ね合わせやすいのもあります。
暗示の方向性、アンケートの質問と答えさせ方、その後にあるとどめの深化が特に印象的でした。

エッチは処女作だからなのでしょうが色々と引っ掛かる部分が見られます。
中でも感度強化パートを催眠の直後に置いてるのが大いに疑問です。
エッチの前に感度を強化するのはドライ系の催眠音声だとよくあることです。
ですが本作品は感度を強化した後に奴隷の契約を結び、さらにノーハンドプレイを挟んでからようやくいじり始めます。

具体的には感度を強化した45分後に乳首オナニーの指示が出ます。
これだけ間を置かれたら感度を強化する意味がないのではないかなと。
私が聴いた時もエロパート(セルフ)より感度強化パートのほうがずっと気持ちよかったです。

感度強化パートは見られる快感といじる快感を上げるアプローチがされてるので
これらを分割して前者をエロパート(ドライ)の直前に
後者をエロパート(セルフ)の直前に置いたほうが機能すると思います。

あとはナレーターを持て余してるところでしょうか。
すべてを先生に語らせるのではなく、二人で手分けして進めれば時間が短くなって密度も上がります。
催眠音声で2時間は長いほうなので集中力を維持しやすくする意味でももう少し切り詰めたほうがいいです。

絶頂シーンは3回+α(連続絶頂)。
淫語そこそこ、ちゅぱ音ごく僅か、喘ぎ声はありません。

催眠は良いのだけどエッチがうーん…な作品です。

CV:みる☆くるみさん
総時間 効果音あり…1:55:06 効果音なし…1:54:56(両者の違いは足音やドアの開閉音の有無のみです)

オススメ度
■■■■■■□□□□ 6点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は5点。
115分で700円とコスパがいいので+1してあります。